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京都地方裁判所 昭和43年(ワ)103号 決定 1969年4月22日

原告

野崎印刷株式会社

代理人

中坊公平

外一名

被告

日陶産業株式会社

代理人

石原金三

外二名

主文

本件名古屋地方裁判所に移送する。

理由

本訴は、原告会社(本店京都市)の被告会社(本店名古屋市)に対するパンフレット等の印刷代金請求訴訟である。

<証拠>によれば、被告は、名古屋市中区末広町一丁目二一番地に所在の原告会社名古屋営業所に対し、従来より、印刷を注文し、原告会社が本訴で代金を請求している印刷も、被告が原告会社名古屋営業所に注文したものであるところ、原告会社名古屋営業所は、従来より、被告に対し、原告会社名古屋営業所名義の印刷代金請求書、領収証を発行し、被告より、印刷代金を受領している事実を認めうる。

本件のように、本店京都市の株式会社の名古屋営業所に対し、従来より、印刷を注文し、名古屋営業所が、従来より、名古屋営業所名義の印刷代金を受領している場合、特別の事情の認められないかぎり、右印刷代金債務の履行場所は名古屋営業所であるとの合意がなされたものと認めるのが相当である。(代金債務の履行場所の合意がない場合、原告会社名古屋営業所が支店の実質を有するものであれば、商法第五一六条第一項第三項により、原告会社名古屋営業所が、代金債務の履行場所となる。)

したがつて、本件印刷代金の義務履行地の裁判所は、名古屋地方裁判所であり、京都地方裁判所は、本訴の管轄裁判所でない。

よつて、民事訴訟法第三〇条第一項より主文のとおり決定する。(小西勝)

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